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管理者: sTwo

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特集#02 - 映画 APPLESEED
2004/04/15 更新 : ランドメイトって?追加
アップルシード
アップルシード・コミック登場人物

-もうひとつの「美女と野獣」-

今春、4月17日に東宝・全国洋画系にて公開予定のロードショー 『APPLESEED』、 微妙に 『INNOCENCE』 に押され気味なので思わず特集ページを作ってみました。 『攻殻機動隊』 から士郎正宗氏を知った方、士郎正宗って誰?な方、そんな 『アップルシード』 を知らない方々にも解り易い様な内容を、 ぼちぼち追加していこうと思います。皆様お付き合いください。(^^)>

2004/02/16 sTwo
APPLESEED 映画 『APPLESEED』公式サイト
http://www.a-seed.jp/

APPLE SEEDに関するBBSです。 APPLE SEEDに関するBBSです。
映画APPLESEEDネタバレスレッド開始!


Comments / 原作者 士郎 正宗

士郎正宗 「見たものを映像に記録する技術」よりも、「描いて表現し伝達する技術」の方が歴史が古いのだが「絵を動かして映像表現する技術」はCG技術が現在に至る事でようやく自由になりつつある(通常セルアニメの制作は制約が多い)。 CG映像は送り手の想像した事をより具体的に伝達できるが「受け手が想像力で作品を補完する楽しみ」を削る事にも繋がる両刃の剣だ。 PIXER社の方法も強力な解答だと思うが、日本には記号表現を用いるセルアニメや人形演劇のノウハウと、実際の人間が行う演劇であっても「絵づくり」にこだわる文化的下地(例:歌舞伎等)があり、より「絵」に近いこれらを最大限に生かす方法が曽利氏、荒牧氏の3Dライブアニメという選択であろう。 もう「CG映像だからつまらない」という時代では無い。 送り手が何を創造し伝達しようとするかが重要だ。
僕はかつて、アニメと関わる際に「書割3D・CG背景」の有用性を言って現場で浮いていた。 ゲーム「DOOM」の影響だ。 近年はアニメと関わる際に「3Dのキャラやメカ」の必要性を言って浮いていた。 キャラやメカ等を空間に対して自由かつ正確に取り扱える様にする為だ。 実写映像が進化するのを遥か後方から眺めているだけだったが昨今ようやく思っていた様な映像路線が生じて来た。 これまで全く接触の無かった方面からだ。 実は僕よりもこの映像路線に適した原作者が他にいると思うが、今回使って頂き大変(原作者として以上に)感謝している。 今後も、アニメが蓄積したキーフレームのノウハウや額滴(ひたいしずく)・貧血簾(ひんけつすだれ)・頭身3段活用などの演出方法、歌舞伎や落語の演出小技を吸収し、フランスや韓国同様、努力する必要があるだろう。 幸い日本にはそういった「情報資産」が大量にある。 それを生かすも殺すも関係者と観客次第、僕は僕で足りないながらも自分に出来る事を頑張りますので、皆様も頑張って生産&消費して下さいね。

Source: APPLESEEDプレスシート (C)2004 士郎正宗/青心社・アップルシードフィルムパートナーズ

1. アップルシード年表

- これだけは押さえておこう -

「アップルシードってどんなお話?」というのはコミックスを読んでもらうとして(笑)、最初に予備知識としてアップルシードの年表をしっかりと頭に入れておきましょう。 そうすることで映画鑑賞が2倍・3倍と面白くなりますよ!(ホンマカイナ)
まずは各登場人物人物相関図以外にも、次の単語は覚えておきましょうね。

オリオングループ: 物語の根底となるアポルシード計画を施行する謎の組織。5巻以降に明らかになるはずだった(笑)
都市企画班: オリオングループの機関の一つ。
オリュンポス(総合管理局): 都市企画班が計画・設計した事務局で、混乱した地球とヒトの生存を目的として設立された。

ポセイドン(大日本技研): 巨大な海上都市群からなる企業連合国家。産業複合体としての国家となった日本のことらしい。


アップルシード年表
1983   オリュンポスの計画は、最初に企画した人物が数人の友人に手紙を送ったことに始まる。 [詳しく触れられていないが、おそらくオリオングループの一員か?もしくはこれがオリオングループの創設となったのか?]
1992   マスタースレイブ兵装の本格開発始まる。 [後のランドメイト?]
1996 2 第三次世界大戦(核戦争)
1997   史上初の高機能障害者(サイボーグ)の戦闘部隊結成
1999 8 オリオングループとEC米ソの一部代表訪日、第一回都市企画班会議は失敗に終わる
9 日本に核攻撃
  第四次世界大戦(非核対戦)
  攻殻機動隊電脳技術革新、バイオコンピューター臨床応用
11 第二回都市企画班会議、放射能ろ過とアポルシード計画の取引成立。 [核戦争の傷跡である放射能の汚染を分子工学ロボットでろ過する技術が研究・開発されたらしいが、これはオリオングループの支援の下での日本(ポセイドン?)の技術のようだ。]
2000   オリュンポス建設始まる(非公式)。 [放射能ろ過を支援することで、オリュンポスの建設を認めてもらった。考えたもんだね都市企画班]
2002   ポセイドン海上都市建設始まる
  日本、核の冬ろ過プラント建設打ち上げ
2003 8 攻殻機動隊初の電脳兵器(タンク)実戦につく(故障多く不人気)
2005   攻殻機動隊光学迷彩実戦配備(40年ころまで続く)
2015   太陽熱利用技術進む。 [後の巨大建造物へリオスタットへ適応?]
  攻殻機動隊「記憶」の機構解明される
2024   ルナ・シティ「アリスト」で分子工学ロボットによる実験。 [アリストはどういう意味でしょう?ギリシャ神話に関連するといえばアリストパネス(アリストファネス)ですが、月に関係ないのよねぇ?]
  ドーム1号建設、ムーンベース30人で稼動開始。 [人類の月への侵略開始(笑)]
  攻殻機動隊電脳公害白書論争起きる
  レーザー兵器、多量のサイボーグ、戦線投入される
2027   攻殻機動隊日本政治の電脳化
2029   月から火星へ有人飛行、フォボスへ出発。 [フォボスは火星の衛星。火星侵略の始まり!(笑)]
  攻殻機動隊ポセイドンに攻殻機動隊できる
  オリオングループ資源回復放射能除去始める
2030   火星有人探査隊、月へ帰還
  アポルシード計画始まる(オリュンポス建設はほぼ完了)
  バイオロイド第一世代誕生。 [このバイオロイドへの遺伝子提供者の中にデュナンの父親であるカールが含まれていた]
2048   ヘカトンケイルシステム、発狂事件多発。 [この頃から既にヘカトンケイルシステムの開発、サイボーグへの適応が行われていたらしい]
2062   マシュー博士生まれる
2074   ヒトミ生まれる(バイオロイド第三世代後期型) [実はヒトミはデュナンより31歳も年上!]
  火星に分子工学ロボット投入される
2076   サイボーグ協会設立
2096   ブリアレオス生まれる、両親不明。 [ブリは地中海系の黒人で、リビア系トラキア人?]
  ポセイドン、火星の大北海へ(海洋技術を盾にして進出)
2100   国際調停監視機関「総合管理局」運営始まる
  ブリアレオス、ソ連KGBへスカウト。 [なんと4歳でスカウト!]
2105   デュナン生まれる
2106   ブリアレオス初仕事。 [若干10歳で初仕事・・・その内容は?]
2108   ブリアレオス、作戦将校を殺害し逃亡。以後フリーとなる。 [このエピソードの詳細は不明]
2115   デュナンの母死亡。親子南下。 [デュナンの母親はサンフランシスコで白人にショットガンで殺害される]
2116   デュナン、ブリアレオスと出会う。 [ブリは最初はデュナンの父親カールと出会っている]
  ブリアレオス引退後、カールのチームへ。 [引退したのは狙撃屋。全世界で指名手配されていた]
2117   双角、戦闘サイボーグ部隊に入隊
2122   デュナン、ポリスアカデミー入学
  ブリアレオス、事故でサイボーグ化。 [爆弾による事故。以前KGB作戦将校を殺害したことによる事件かも?]
2123   デュナン、特殊訓練センターへ移動。七ヵ月後初勤務(研修抜き)
  ブリアレオス、リハビリセンターへ。新処理のヘカトンシステム導入
2125   アポルシード計画、国連総会で公開(一般公開ではない)
  世界各地で突然武力紛争。 [アポルシード計画が公になったことが原因らしい?]
  ダミュソス実用一号リフト完成
2127   アポルシード計画一般公開
9 アップルシード 単行本1巻デュナンとブリアレオス、オリュンポスへ入植
  アップルシード 単行本1巻ガイア襲撃事件
  火星で遺跡発見、先史文明の可能性有
11 アップルシード 単行本2巻多脚砲台式典でガイア事件
2128 6 アップルシード 単行本3巻ベナンダンティ作戦
7 アップルシード 単行本3巻アルテミス連行される
8 アップルシード 単行本3巻アルテミス、ヒトミの家へ
9 アップルシード 単行本4巻ベゼクリク事件
  火星の遺跡発掘団、地球出発。 [調査の結果文明があることが判明し、火星進出をあきらめた?宇宙進出の矛先はその後金星へ]
2129   デュナンとブリアレオス、ポセイドンへ
2130   オリュンポスとポセイドン間共同の千年王国宣言
  オリオングループと正式外交始まる
  金星開発に分子ロボット投入。 [人類の金星侵略開始!]
  金星のイシュタル、アフロディア共に企業活動始まる。 [イシュタル、アフロディア共に金星の名前(イシュタル→アフロディーテ→ビーナス)。ここでは金星上の地区の名前?]
2131   デュナンとブリアレオス、オリュンポスへ戻る
2135   ケンタウリ系使節訪星。 [(プロキシマ)ケンタウリは太陽系から最も近い恒星。地球から4.2光年!]
  常設テレポートゲイト、イオに設置。 [ついに人類の矛先は太陽系外へと・・・]
2147   第一次スターシード地球出発
  そしてブラックマジックへ・・・?金星整う、調査移住始まる
  宇宙外交時代始まる、地球の夜明け
[2004/02/22 年表補足] 年表中の2147年の「ブラックマジック?」と書かれているのは、「ここからブラックマジックの話が始まる」のではなく、 「ここからブラックマジックの話と交わる」の意味ですのでお間違えなきように。
アップル年表の推測としては、これまで火星をターゲットにしてきた宇宙進出が、2130年に突如金星へとスイッチされてかつ2147年に移住までするのは、 金星でブラックマジックの何らかの痕跡とコンタクトを士郎氏が取らせたかったのでは?という事です。 でもそうなると火星の遺跡は何でしょうね・・・?
また2130年の「オリオングループと正式外交始まる」というのは、ポセイドンとオリオングループ(オリュンポス)との外交という意味と考えています。 ここを宇宙との外交と解釈している方が結構多いんですよね・・・真相は如何に!?

2. 登場人物紹介

- 予備知識の充実に向けて -

映画化にあたって、限られた時間内でストーリーを収める必要性があるために、各登場人物の詳細説明など無いに等しいと思われます。 映画鑑賞のためにも、またコミックを読んだ後のおさらいとしての意味も含めて、主要な登場人物を順次紹介したいと思います。
注)一部推測が含まれます(笑)

デュナン・ナッツ

【デュナン・ナッツ / DUNAN NUT】

デュナン・ナッツ 2105年生まれ。元ロサンゼルス市警(LAPD)のSWAT隊員。
彼女の父親カール・ナッツに小さい頃から鍛えられており、 射撃・格闘そのほかの技術は超一流である。しかし捜査のセンスと性格は悪い。銃の扱いに長けている利き腕の右手は発達しており、右肩が左肩よりも長い。 デュナン愛用のガバメントは父親の形見である。

父親はアポルシード計画の第一期バイオロイドに遺伝子を提供しているが、現在は消息不明。 母親はデュナンが10歳の時、フリスコ(サンフランシスコ)で白人にショットガンで殺害されている。
デュナンはかなり複雑な混血児である。母方の祖母はアフリカ北東部スーダン出の黒人と白人の混血。祖父は英仏人でBBCのジャーナリストであった。
ちなみに父親と母親は、父親がグリーンベレーの特殊活動期間中にアフリカ南東部のジンバブエで出会っている。 (デュナンに日系の血が混じっているという情報があるが、これはバンダイのデマなので注意!)

彼女は小さい頃に「Do not!」だの「ドーナッツ」だのからかわれていたらしい。
現在は何かと消費・破壊クセがついているため、若くして借金王の烙印を押される。

コミックス4巻では訓練中に右目を負傷するが、その後の26話目では見事に復活している。

オリュンポスESWATでの作戦コードナンバー109。

【ブリアレオス・ヘカトンケイレス / BRIAREOS HECATOMBCALES】

ブリアレオス・ヘカトンケイレス 2096年生まれ。サイボーグ。
元は地中海系(リビア系トラキア人)の黒人。 小さい頃に旧KGBにテロリストとして仕込まれたが作戦将校を殺害し旧アメリカへと亡命、通称「エーゲ海」と呼ばれる狙撃屋として全世界に指名手配されていた。 特殊公安機関であったデュナンの父カール・ナッツと出会い、その後はデュナンと行動を共にする。 デュナンと出会って6年後に爆弾事件でやむなく全身をサイボーグ化し、以後改造を重ね現在に至る。

ブリアレオス・ヘカトンケイレス サイボーグ化にはヘカトンケイル・システムを搭載している。 ヘカトンケイル・システムとは、ヘカトンケイル(百手巨人)の名のように多重情報処理能力を与えられたシステムで、様々な情報処理機器とリンクすることが可能。 操縦者の動きをトレースする「ランドメイト」を装着しても、各腕をバラバラに動かすことができる。 現在はブリアレオスを含め数人のサイボーグがこのシステムを搭載しているが、その中でも彼はトータルバランスがとれている貴重な人材である。 情報処理には専用の補助脳があり、合計2.6kgの脳と8つの目を持つ。(左の図を参照)
ブリアレオスの皮膚は弾力性があり暖かいが、これは恋人デュナンのため。皮膚感覚は当然存在する。

サイボーグはサイボーグ協会に加入し、緊急信号の受信など協会の規約に従う義務がある。過去にそれを逆手に取られて苦戦した経験あり。

オリュンポスESWATでの作戦コードナンバー113。


3. ランドメイトって?

- 士郎ワールドの代表作 -

映画 『APPLESEED』 でも主要なメカのひとつとなるランドメイト(LAND MATE) は、 士郎氏の作品の代表的なキャラクター(?)と言えるでしょう。 この「搭乗者の動きを正確にトレースする武装機器」は機構・造形がとてもリアルで、他のメカニックキャラクターの追随を許さない存在感があります。
しかし攻殻機動隊から士郎氏の作品を知った 「ランドメイトって何?」 な方々にとっては単なるメカの一つに見てしまうのでは? と思い、この非常に高度な創造物の魅力を皆さんに十分に伝えるため、特集で取り上げたいと思います。

イラストでは登場頻度が高いランドメイトですが、士郎氏が直接考察している作品やイラストは思ったより少なく、 せいぜい 『INTRON DEPOT 1』 の中で語られている程度です。 そんな中から今回は非常に貴重な資料として、 士郎氏が昔参加していた同人誌 『ATLAS 12』 で語られているランドメイトのうんちくと、 『アップルシード カレンダーブック』 からの1枚を皆さんに堪能していただきましょう。

ランドメイト初(?)登場!アップルシードの1年前に描かれた作品です。当時は LAND MATE ではなく LAND MEIT でした・・・
動力のエンジンは肩にあります。 ヒザは搭乗者の足の位置との関係から2倍角度動作の機構が採用されています。

搭乗者の運動性能を最大限に引き出すために、搭乗者とランドメイトの腰は同位置・同軸になっていることがこの図で良く解ります。考えてるなー士郎氏・・・

こちらは映画 『APPLESEED』 にも登場のギュゲスDです。
"D" は "ダミュソス" のDで、多脚砲台にも使用されている自重を調整する素材(というか機構)のことです。 搭乗者のトレースをするランドメイト、この絵で搭乗者とランドメイトの腕の位置が一緒なのが解ります。 互いの腕が干渉しないように、ランドメイトの胸は若干膨らんでいます。




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